皆様こんにちは、今回は糸の染めについてお話しします。
日本刺繍で使われる糸は「釜糸」と呼ばれますが、これは「釜の中の繭から繰り取ったままで撚りをかけていない糸」の事です。
平たい形状である為に光の反射が強く、光沢があるのが特長です。
しかし撚(よ)りがかかっていない事により、毛羽立ちや毛玉が出やすいので取り扱いには神経をつかいます。
糸染めは撚りのかかっている糸であれば機械の中にセットし(吊るす)、染料を噴射して糸は染め上がりますが、撚りのかかっていない糸で同じ方法を行うと糸が乱れ使用できない状態になってしまいます。そのため釜糸においては鍋に入れた染料の中に糸を浸し地道に糸を回転させ、染めムラ、毛羽立ちが起こらないよう丁寧に仕上げていきます。
現在、釜糸を染められる職人さんは日本に数えられる程しかいませんので、紅会がお世話になっている職人さんにも末永く頑張って頂きたいと願っております。