観世流能楽師、梅若六郎玄祥師監修の縫箔です。もとは他家に伝わる江戸時代中期の縫箔を師が気に入られ、工房で刺繍制作して2008年に完成しました。2015年11月に行われた「紅会『くれないかい』全国展40周年を祝う会」には、次の「祝辞」をいただきました。
工房創立50周年、全国展開催40周年、まことにお目出度うご座居ます。紅会様とのお付き合いは十数年になると思いますが、その間に当家の装束を数点写していただき、又、創作もお願い申し上げてまいりました。私もその装束にて度々能を舞い、舞台に華を添えていただいて居ります。再現とは創作時の美しさを伝えることにありますが、いつも古きを伝え生彩を放つ現代に生きる作品であることに感嘆しております。この後も日本の伝統文化として益々のご活躍をお祈り申し上げます。
(重要無形文化財保持者、観世流シテ方能楽師 梅若家当主)
舞台衣装「桃山写し」
紅会『くれないかい』工房で制作した「桃山写し」は、四代目中村雀右衛門さんへ1985年春に寄贈、同年5月28日歌舞伎座での「雀右衛門の会」公演で創作舞踊『切支丹道成寺』で着用されました。
(※四代目中村雀右衛門さんは、1991年重要無形文化財保持者認定(人間国宝))