ドレスに施した彼岸花の刺繍は、色はやさしく抑えつつもボリュームがあり華やかなイメージ、ということで、何段にもわたる肉入れぬいの上に太めの平糸で刺繍しています。
勢いよく伸びるしべは、より金で駒取りぬいを、そしてドレスを身に纏い動くたびに揺れる事を考えて、ビーズで作ったしべのパーツを軽くとじつけてあります。帯や着物では試みた事のない、大胆な刺繍を楽しみました。
彼岸花はたくさんのつぼみから一気に開花すると、とても色鮮やかです。
このような花の姿を目にすると、花びらはどのように刺繍をしようか、しべの勢いを表現するにはどの技法が一番か、などと想像して楽しくなります。