酒井抱一の「四季花鳥図巻」から一部分を刺繍した小額で、カマキリは平糸の斜めぬいきり、辛よりの片駒取りと引っ張りとじで表現しています。
工房の庭でカマキリの卵を見かけるのは普通のことですが、今回、逆立ちして産卵しているところに出会いました。
30年以上も前になりますが、工房生にデッサンを教えに来られていた竹内先生から、解剖学者である三木成夫先生のお話を聞く機会がありました。
芭蕉の弟子の其角の、「蟷螂(とうろう)の尋常に死ぬ枯野かな」の句は、正に自然界の真理を表現していて、特に“尋常に”との表現が素晴らしいなどと・・・
泡のような卵も、翌日には立派な卵になっていました。
竹内先生を通して伺ったエピソードの多くは、三木成夫著「胎児の世界」(1983年発行、中公新書)に収載されていました。