「夢中で追い求めて」
同じ図案なのに配色やぬい方を変えると新しい展開が始まる。刺繍してみたい図案が毎年提案される。夢中で追い求めて40年が過ぎました。
今回の「鳥兜」もずっと刺繍してみたかった作品です。迷いながらぴったりの色、ぬい方を工夫するのは楽しみ一杯です。ちょっと辛口の批評をくれる主人がこの作品を見たら何と言うでしょうか?聞いてみたい気がします。
「心を込めてぬう」
入会して十年になります。今回、母からの依頼で初めて自分の物ではない作品をぬいました。相手の顔を思い浮かべながらぬうというのは張り合いを感じる反面、難しく良い経験になりました。この作品「百寿」は時間がかかりましたが、いつか完成することを夢見て刺繍しました。心を込めてぬうという気持ちを改めて思う作品となりました。これからはこの気持ちを忘れずに作品に取り組んでいきたいと思います。
「心の波が静まる」
一針一針に集中し静かに刺繍をしていると、思うように進まなくても心の中に立った波が静まってきます。そして作品ができあがるとその喜びは何ものにも変えられません。それが刺繍を諦められず熊本から大阪教室へ通う私の原動力になっています。
「後悔のない人生を」
「好きなことをする自分をもっと許せば良かった。」あるホスピスでのインタビュー結果第1位です。「もっと好きなことをすれば良かった。」ではないのです。日本刺繍は私に多くの恵みと気づきを与えてくれます。「後悔のない人生を」そんな気持ちになりました。
「子供の成長とともに」
気がつけば日本刺繍を始めて10年がたちました。紅会に入って二年目に子供を授かり、つわりで苦しみながらも刺した帯。子供が生まれ寝ている間、いつ起きるかとドキドキしながら刺したインテリアの額。卒園と入学の時のために2年越しで刺した帯。ひとつひとつの作品が子供の歳とリンクし、記憶とつながって大切な作品となっています。
「刺繍は心の安定剤」
私にとって刺繍とは心の安定剤。刺す時の苦悩(どの様に刺すか)、喜び(出来上がった時)、楽しみ(次回はこう刺そう)、常に前向きにさせてくれる良き相棒です。今回の作品は楽しみを与えてくれる反面、反省する部分も多く、次回は少しでも反省点を埋める事が出来るよう努力していきたいです。
「良き仲間達や先生に感謝」
菜の花の連作のハガキに出会って紅会に入会。苦しい時もありましたが歯をくいしばりここまで参りました。今は良き仲間達や先生に巡り合い、刺繍ができる事に感謝申し上げる次第です。普段のお茶のお稽古やお茶会に自分でつくった着物や帯を身に纏うことができ、とても嬉しく思います。これからも程良く日本刺繍を楽しんで行きたいと思います。
「格調高い図案」
ユニークな二匹の獅子の図案。しかし龍袍と聞き慣れない題。神田の中国古書店を回ったりネットをひらいたり。清朝は中国統一の権威の強化を厳格な冠服制度を取り入れた。
皇帝皇后には(礼服・吉服・常服・行服・雨服)があり、吉服の一つに龍袍があった。
山、下部に波涛文、間に五彩の雲を刺繍し誕生日や婚礼時に着用した。今回は獅子をあしらった格調高い図案を刺せて嬉しかった。
「無心でリフレッシュ」
刺繍をする時間は無心になれる大事な時となっています。下ごしらえ、糸張りなど一つ一つの行程を丁寧に進め、出来ていくのはとても楽しく、仕事と普段の生活の間でリフレッシュできる作業ともなっています。